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ウガンダ
【カカセ県】生計向上支援と母子の栄養改善事業

ウガンダは一人当たりの所得が低いという問題を抱えています。特に農村地域の母子の保健サービスへのアクセスや栄養不良が深刻で、その結果、乳幼児の発育や認知機能、学習能力に悪影響を及ぼし、子どもの発育を妨げています。そこで、ウガンダ西部地域のカセセ県の母子を中心に、保健医療施設での栄養啓発活動を行い、生計向上支援及び母子の栄養改善事業を行いました。

第1年次活動報告(2)

ウガンダ国カセセ県における生計向上支援と母子の栄養改善事業

ウガンダの国民総所得は世界192ヵ国中178位に位置し、一人当たりの所得が極めて低いことが深刻な課題です。所得水準が低いことにより、特に農村地域の母子の保健サービスへの受けやすさや栄養不良の状況は依然として厳しい状態にあります。そして、乳幼児期の低栄養は、身体機能だけでなく認知機能や学習能力の低下に繋がり、妊娠可能年齢女性の低栄養は胎児発育を妨げる大きな要因の一つです。 セーブ・ザ・チルドレンではこうした課題に対処するため、ウガンダ西部地域の中でも栄養不良の割合が他と比較して高いカセセ県の母子を支援の対象に、地域の保健医療施設での栄養啓発活動を促進するほか、農家の生産力や耕作知識の向上に向けて支援活動を行っています。

活動内容

1.生計向上

マリバ準郡の中でも、最も貧しい地域の農家世帯にバナナ栽培を指導しています。写真は山腹を開墾し、バナナの株を等間隔に植えたところです。また、強い降雨があると株が流される危険があるため、排水が効果的にできるよう溝を掘りました。実はバナナの木は野生で多く見られるのですが、密集していて間引きをしないと実に栄養が行きわたらず、貧弱な果実が育ってしまいます。品質が低いため、販売できないこともよくあります。逆に、間隔を開けて丁寧に手入れした場合、非常に美味な果実が実り、収穫量も増えるのです。品質の高いバナナができたら、その収入は今までの10倍近くになると現地職員は言います。株を植えてから収穫できるようになるまで1年ほどかかりますが、来年の1月にこれらの小さい株たちが3メートルを超える背丈になって美味しいバナナを生んでくれるのが楽しみです。


2.栄養改善支援

カルサンダラ準郡の保健施設では、庭の一角を耕しデモンストレーション用の家庭菜園を作っています。ナスやホウレンソウ、トマトなど栄養価の高い野菜を栽培し、診療に来る母親たちに紹介しています。普段、家計が逼迫していることから、一回の食事がバナナのみあるいはとうもろこしの粉を水に混ぜて練ったポショ(現地語)のみ、という家庭が少なくありません。母親たちには「できる範囲で自家栽培し、一回の食事で3色摂るように。」と指導しています。バナナは黄色、ポショは白色ですが、ナスであれば紫、トマトは赤、ホウレンソウは緑といった色があり、栄養といった難しい言葉を使わずとも、バリエーションを彼女たちに理解してもらえるよう努めています。


2020年活動レポート【2】(1.3MB)

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