2019年活動報告(2)
ウガンダにおける南スーダン難民支援事業
南スーダンからの難民が急増しはじめてから2年半経った今もなお、80万人近い南スーダン難民がウガンダで避難生活を送っています。このような緊急下において、子どもたちは依然、虐待やネグレクト、早婚などのリスクに晒されており、居住区内での出産や育児に不安を抱える養育者も少なくなく、子どもたちの健やかな成長のために継続的な支援が求められます。セーブ・ザ・チルドレンは、これらかのニーズを踏まえ、特に脆弱な状況におかれた子どもへの個別支援、「こどもひろば」の運営、就学前教育や栄養支援活動といった、子どもの発達の包括的な支援を継続します。 以下にこれらの活動の様子を紹介します。
活動内容
1.東京職員と現地スタッフとのミーティング
東京事務所から出張に来た職員を交え、現地のケース・ワーカーや「こどもひろば」ファシリテーターがミーティングをする様子。日々の活動における課題や「子どものセーフガーディング(子どもに安心・安全な組織・事業づくり)」の重要性について話し合いました。
2.こどもひろば
「国際ガールズ・デー」(10月11日)に合わせた、「こどもひろば」でのイベントの準備会合の様子。「こどもひろば」ファシリテーターが子どもたちの話し合いをリードしながら、イベント当日に発表する内容についての確認を行ったり、リハーサルを行ったりしました。当日は女子が抱える課題についてのディスカッションや、歌やダンスの発表を行いました。
3.就学前教育プログラム
就学前教育プログラムの様子。就学前教育ボランティアが質問を投げかけると、子どもたちは積極的に手を挙げて発言します。教室にかかっているのは、就学前教育ボランティアが手作りをしたアルファベットなどの掲示物です。子どもたちに馴染みのある野菜などのイラストを使用しています。また、教材を手作りすることで、教材にかかる経費を節約することができています。
4.栄養支援
就学前教育プログラムに参加する子どもたちの給食をつくる様子。子どもたちには毎日おかゆを提供しています。おかゆの材料費や、調理をするボランティアに払うお金を保護者が出し合うなど、保護者は子どもたちへの給食の提供に積極的に関わってくれており、活動が持続することにもつながっています。子どもたちは給食が大好きで、給食の時間になると整列して配膳を待ち望んでいます。
5.就学前教育ボランティア
就学前教育ボランティアが、年少クラスの生徒数について表にまとめている様子。同プログラムに参加する子どもたちについては、参加者登録を行い、毎日欠かさず出欠を取ります。欠席が続く子どもがいれば、個別の家庭訪問などを行い、状況の確認を行っています。授業は平日午前のみですが、就学前教育ボランティアは、授業の後も、教材作成や欠席が続く子どものフォローアップ、授業計画の作成などを積極的に行っています。
6.母親たちへの手洗い教育
栄養支援の一環として実施した調理デモンストレーションの前に、母親らが石鹸で手洗いする様子。写真右側のカーキ色のベストを着た栄養指導カウンセラーが、手洗いの方法や重要性について説明をしています。これらの活動を実施している「こどもひろば」には常に石鹸を設置しており、スタッフからも「このサラヤさんの石鹸があることによって、子どもたちや活動に参加する母親が積極的に手洗いをしてくれるようになった」との声があがっています。
※手洗いせっけんと手指消毒剤は、サラヤの東アフリカ現地法人「Saraya Manufacturing (U) Ltd.」で現地生産された製品が活用されています。