2014年活動報告
「ウガンダ」北部 南スーダン難民の子どもとその家族を対象とした保険と衛生事業
2010年に始動しました、サラヤ100万人の手洗いプロジェクトの活動地でもある「ウガンダ」。同年より、アラウ.製品の売上の一部で「セーブ・ザ・チルドレン」を通じて、ウガンダの難民の子どもと家族を対象にした保健と衛生活動をサポートしてまいりました。
2014年は武力紛争が原因で国外に逃れたコンゴ難民につづき、ウガンダ北部の南スーダン難民を対象に保健衛生事業を実施し、南スーダンで発生したコレラの蔓延を未然に防ぐ活動を行いました。
活動の成果としましては、育成した生徒(保健委員)や村の保健ボランティアの方々が、学校や地域の集会場、子どもたちが集まる子どもセンターにおいて、3,800人を超える人たちに保健衛生に関する啓発を行い、その結果、一時滞在センターや避難定住地で生活する人たちの衛生に関する知識が向上。手洗いの励行や食事の衛生的な管理、適切なトイレの使い方などを実践する人々が大幅に増加しています。
また、保健ボランティアの存在は難民キャンプ内で着実に認知され、保健に関する相談を持ちかける人たちの数も増えています。
一方で、事業期間中に15基のトイレを設置した結果、全戸数に対するトイレ普及率が36%から40%に増加。周辺住民はトイレを利用されるようになり、生活環境が改善するとともに、し尿を媒介とする感染症に対するリスクが大幅に減少しました。
2014年9月以降、活動地においてコレラ発症例の報告はありません。
活動内容
1.トイレの設置(アルア県)
新規に建設されたトイレ。
2.学校の保健委員に対する保健衛生教育研修の実施(アルア県)
保健委員に対する研修の様子:コレラに感染する経路を学ぶセッション。
3.寸劇や歌等を通じた保健衛生に関する啓発活動の実施(アルア県)
地域で寸劇を⾏い、衛⽣について啓発する保健委員たち。
啓発活動の主な内容
- 安全な水の利用:地域ぐるみの井戸の適切な利用と、井戸水を入れる容器の洗浄の重要性など。
- 安全なし尿処理:し尿を媒介とする感染症(赤痢、コレラ、チフス、住血吸虫症等)の紹介と、その感染の第一の防御策として、地域住民が協力してトイレを建設・管理する事の重要性について。
- 石けんを使用した手洗いの推奨:コレラなどは死に至る可能性のある病気であるが、トイレ使用後や、調理・食事前、子どもに食事を与える前に石鹸を用いて手洗いを行う等の簡単な活動が実は命を守ることにもつながることの紹介。
4.ラジオ番組を通じた保健衛生に関する啓発(アルア県)
5.子どもひろば及びその周辺における衛生に関する教育(アジュマニ県)
子どもセンターにおける衛生教育の様子。