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手づかみ食べは赤ちゃんの成長に効果的?時期やおすすめの食べ物

監修:古市 菜緒

プロフィール

助産師としてこれまで10,000件以上の出産に携わり、5,000人以上の方を対象に産前・産後セミナー等の講師を務める。助産師のレベルが世界的に高いAUSとNZで数年生活、帰国後バースコンサルタントを起ち上げる。現在は、高齢出産の対象であるOVER35の方に向けた「妊娠・出産・育児」をサポートする活動を行う。その他、関連する記事の執筆やサービス・商品の監修、企業のセミナー講師、産科病院のコンサルタントなどを務める。

赤ちゃんの成長と共に離乳食の練習を始めているママ・パパも多いでしょう。

離乳食の食べ方は発達に合わせて変わり、個人差はありますが、おおよそ1歳ごろには完了します。
そのなかで取り組むことになるのが「手づかみ食べ」です。

初めてのお子さまの場合、「このやり方でいいのかな?」「手づかみ食べって必要?」「いつから?」と手づかみ食べに関する疑問や悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

赤ちゃんの発達に合わせたご飯の練習を行うために、今回は手づかみ食べの効果、始めるタイミング、時期別のおすすめの食べ物、手づかみ食べの片付けが楽になる便利グッズなどについて紹介します。

手づかみ食べの効果


「手づかみ食べって必要?」「汚れて大変?」などと思う方も多いでしょう。
実際に子どもの手づかみ食べの時期を経験したママ・パパからは「最初はレシピを考えたり調理を工夫したりするのが大変だった」という意見もよく聞きますよね。

しかし、手づかみ食べは赤ちゃんの成長や発達によい影響を与えるといわれています。


感覚機能の発達への効果


手づかみ食べは、
①目の前の食べ物を見る
②手で触れて手に持つ
③手で口元まで持っていき口に入れる
の三つの動作によって成り立つ協調運動です。

赤ちゃんが①②③の一連の動作を自分で行い、感覚刺激を受けることが、「視覚」「触覚」「味覚」などの五感の発達につながります。

知能の発達への効果

食べ物を認識し、かたさややわらかさなどの感触によって力を加減し、「自分に適正な一口量」を判断して口に入れるためには多くの情報処理が必要で、知能の発達につながります。

手指の運動機能の発達への効果

人間にとって手指の運動機能の発達は重要です。食べ物を手で持ち上手に口に運ぶことは、手指の感覚や運動機能の発達につながります。

手づかみ食べを始めるタイミング


手づかみ食べは、いつから始めればよいのでしょうか。赤ちゃんの成長には個人差が大きく、「うちの子に適したタイミングがわからない」と思われる方も多いかもしれません。

手づかみ食べを始めるタイミングは、一般的に離乳食後期にあたる生後9か月ごろとされていますが、具体的にどのような状態であれば始めてよいか、ポイントをまとめました。ただし、個人差があるため、お子さまの様子をみながら進めてください。


手づかみ食べのタイミングを見極めるポイント


手づかみ食べができるための条件

①お座りが安定している
手づかみ食べをするには、食事用の椅子に一定時間座る必要があります。
椅子に安定して座れるようになるのは、首や背中の筋肉が発達し、体のバランスが取れるようになる生後6か月〜8か月が多いです。

②乳歯が生え始めている
生後6か月〜9か月に最初の乳歯が生え始める場合が多いです。最初に生えるのは下の前歯(乳中切歯)です。
乳歯が生え始めると、赤ちゃんは歯ぐきにむずがゆさを感じ、歯ごたえのあるおもちゃを噛んで遊びます。

③離乳食が中期まで進んでいる  
舌を使ったモグモグ食べができる状態が離乳食中期です。
1)1日2回離乳食を食べ、食事のリズムも安定してきた
2)舌でつぶせる程度(豆腐くらい)のかたさの物が食べられる
3)多くの種類の食材が食べられる

1)~3)の状態であれば安定して離乳食中期に移行している状態といえます。

手づかみ食べに移行してよいサイン

一般的に離乳食後期にあたる生後9か月~11か月ごろ、上記①~③の条件をクリアしており、赤ちゃんが「自分から食べ物をつかんで口に入れる行動」をするようになれば、そろそろ手づかみ食べを開始してもよいサインです。

①食べ物をすぐに飲み込まない
②ときどき口が左右に動く(左右の歯ぐきで噛もうとする)

などの様子がみられれば、やわらかくて持ちやすく、口どけのよい食べ物を、小さくして与えてみましょう。

ただし、お子さまによっては手づかみ食べに積極的ではないことがあるため、無理強いは避けましょう。お子さんの気持ちや意欲が大切です。

手づかみ食べを進めてはいけないサイン

口をあまり左右に動かさず、食べ物を丸飲みしている様子がみられれば、誤嚥(ごえん)につながる危険があるため、まだ手づかみ食べを進めてはいけないサインです。

誤嚥とは、口からのど、食道を経て食べ物が胃へ送り込まれる過程のなかで、なんらかの理由で誤って食べ物がのどに詰まったり気管に入ったりする状態で、窒息や肺炎の原因になります。

手づかみ食べを始めるタイミングには個人差がある

記事では手づかみ食べを始めるおおよその月齢を紹介していますが、離乳食の時期には大きな個人差があります。一般的に手づかみ食べが始まる時期に条件がそろわなかったりサインがみられなかったりしても急ぐ必要はありません。気持ちが焦ることもあるかもしれませんが、お子さまの発達や離乳食に対する意欲などの様子をみながらゆっくりと始めていきましょう。

また、離乳食は準備や片付けがひと苦労。お子さまの様子だけでなく、ママやパパが無理なく対応できる範囲でスタートしていくとよいと思われます。

手づかみ食べから次のステップへ進むタイミング

手づかみ食べは目・手・口の協調運動を発達させ、スプーンやフォークなどの道具を使うための訓練になります。お子さまがスプーンやフォークに関心を持ち始めれば次のステップに進むサインです。

最初はなかなか上手にできませんが、手づかみ食べと並行しながらスプーン食べ、フォーク食べの練習をしていきましょう。

2歳くらいがスプーン食べ、フォーク食べへの移行時期の目安になりますが、3歳ごろまでに手づかみ食べの卒業を目指すかたちで焦らずに進めていきましょう。

手づかみ食べ【初期~後期】の特徴とおすすめの食べ物


お子さまに手づかみ食べを始める条件がそろい、サインや意欲もみられてきて「そろそろ手づかみ食べを始めてみよう」と思った際、どのような食べ物から始めればよいでしょうか。また、どのように食べ物をステップアップしていけばよいでしょうか。

初期から後期の時期別に、手づかみ食べの特徴とおすすめの食べ物を紹介します。


手づかみ食べ【初期~後期】の特徴


手づかみ食べ初期(目安:生後9か月ごろ)

初期は、手づかみ食べを始めたばかりの時期を指します。今まで食べさせてもらうばかりだったのが、自分の手で持って食べることができるようになり、喜ぶ様子をみせる赤ちゃんが多いです。

早いお子さまでは前歯が生えている場合もありますが、まだ歯がない子どもも多い時期です。手づかみができて舌や歯ぐきでつぶせるかたさ(バナナくらい)の物を一口大に切って与えます。やわらかくゆでた大根やにんじん、食パンの白い部分などから始めるとよいでしょう。

食べ物で遊ぶ「遊び食べ」もみられますが、食べ物のかたさや形、温度などを学ぶ大切な行動です。

手づかみ食べ中期(目安:生後10か月ごろ)

中期は、手づかみ食べを始めて1~2か月が経って慣れてくる時期です。初期に比べて食べるのが上手になり、手づかみできなかった物が持てるようになります。また1日3回の食事のリズムも整うでしょう。

歯ぐきで上手に噛めるようになるため、お子さまが噛むことを楽しめるように少し弾力のある食べ物を与えるとよいでしょう。たとえば皮を剥いたみかんやりんごといった果物、おやき、卵焼き、パンケーキ、初期より少し大きめに切ったやわらかめの野菜などです。

食べ物はスティック状や小判型に成形すると、持ちやすくて食べやすくなります。自分で口に入れる動作を繰り返しながら、しだいに一口量を覚えていくのです。

手づかみ食べ後期(目安:生後11か月以降)

離乳食も進み、いろいろな食材を食べられるようになってくる時期です。食べやすい形、やわらかさにすれば大抵、大人と同じ食材を食べられるようになります。豆腐ハンバーグや鶏ひき肉のハンバーグ、煮物、やわらかめのうどんなどがおすすめです。

1歳から1歳半ごろが目安の離乳食完了期に向けてさまざまな食材にチャレンジし、幼児食への移行準備をしていきます。また、子どもが興味を示したなら、スプーンやフォークなどを持たせてあげるとよいでしょう。

手づかみ食べにおすすめの食べ物



やわらかくゆでた野菜

大根やにんじん、さつまいも、かぼちゃ、じゃがいも、白菜、ブロッコリーなどを歯ぐきでつぶせるかたさにゆでます。初期は一口大、中期は野菜スティックのような形状にすると食べやすいでしょう。

普段から料理に使う野菜のため、大人用の料理と一緒に準備すると便利です。


スティック状にしたおにぎりやパン

パンは、初期には食パンの白い部分を一口大に切って与え、慣れてくればスティック状にして与えます。軽くトーストしてもよいでしょう。パンはジャムやクリームチーズなどをつけて味を変えられるのも魅力的です。

おにぎりは手づかみ食べに慣れてきた中期以降に始めます。最初はのりを使わず、軟飯を一口大に握るとよいでしょう。食品用ラップを使用すると手が汚れず、成型もしやすいです。

慣れてくれば、のりを巻いたり、しらすや鮭などを混ぜたりしてみましょう。

バナナ

バナナは栄養価が高く、ビタミンB群や食物繊維を豊富に含むため、離乳食によく利用される果物です。

離乳食の初期にはつぶして与えますが、手づかみ食べ用の場合はスティック状に切って持ちやすくしてあげましょう。輪切りにするとのどにつかえる可能性があるので注意します。

おやき

おやきは、食べやすくてまわりも汚れず、いろいろなアレンジができるので、手づかみ食べにおすすめです。

作り方は簡単。電子レンジで加熱したさつまいもやじゃがいも、かぼちゃをつぶし、水切りした豆腐、ごはん、チーズ、すりおろしたりんご、みじん切りにしたほうれん草や小松菜、キャベツ、きな粉や青のりなどの材料をいくつか組み合わせ、片栗粉と混ぜてフライパンなどで焼くだけです。

おすすめレシピを一つ紹介しましょう。さつまいもとりんごのおやきです。
①さつまいも(40グラム)を加熱してマッシュ状につぶす
②りんご(20グラム)をすりおろす
③さつまいもとりんごに、片栗粉(5グラム)を加えて混ぜ合わせる
④フライパンで焼く

手づかみ食べや食材選びの注意点

正しい姿勢で食べる

豆椅子やハイチェアなどを準備しテーブルの高さをお子さんが食べやすいように調節しましょう。正しい姿勢で食事することは、食べる意欲を邪魔せず、窒息などのリスクも軽減します。反対に、姿勢が整っていない状態で手づかみ食べをさせてしまうと、離乳食に慣れてきても、誤嚥や食べ物がのどに詰まるリスクがあります。

生の肉や魚、はちみつを与えない

離乳食の段階では、まだ刺身などの生ものは与えないようにしてください。生の肉や魚を食べられるようになるのは3歳ごろから。体調のよいときに、新鮮なものを少しずつ試すようにしましょう。

また、はちみつも乳児ボツリヌス症にかかるリスクがあるため、1歳未満の子どもには与えるのを控えます。このほか牛乳も、調理に使うのはOKですが、飲ませるのは満1歳以降が望ましいようです。

丸くて小さな食品は窒息の危険があるため与えない

離乳食の時期は、まだ食べる練習の期間です。ブドウやミニトマト、豆といった丸くて小さな食べ物は、噛まずに飲み込むと窒息の危険があるため、与えないようにしましょう。

赤ちゃんが口に食べ物を詰め込みすぎないように大人がそばで見守る

手づかみ食べを通じて、赤ちゃんは自分の一口量を学んでいきます。適切な量がわからず、口に詰め込みすぎてしまうことも多いです。

口に多く詰め込むと窒息の可能性があるため、食べているときは必ず大人がそばで見守るようにしましょう。
また、勢いよくパクパクと口に入れてしまう場合は、少量ずつお皿に出してあげるのもよいでしょう。

手づかみ食べの片付けが楽になる!あると便利なグッズ


手づかみ食べを始めると、気をつけていてもテーブルのまわりが汚れてしまったり赤ちゃん自身もご飯でベトベトになってしまったりすることが少なくありません。
赤ちゃんが「食事は楽しいもの」と知る大切な時期でもあるので、様子を見守りたい気持ちと後片付けが大変と思う気持ちで葛藤するママ・パパも多いのではないでしょうか。

ここでは、ママ・パパの後片付けを少しでも楽にする便利グッズを紹介します。


滑り止めのついたお皿

滑り止めや吸盤のついたお皿を使うと、赤ちゃんがお皿をひっくり返してテーブルや床、椅子、服が汚れるのを防いでくれます。プレート状の物、お椀状の物など、さまざまなタイプがあるので試してみましょう。

レジャーシートや新聞

手づかみ食べの途中で食べ物を落としたり、口からこぼれたりして床が汚れることも多いです。レジャーシートや新聞・古紙などを敷いておくと、後片付けが楽に行えます。

また、近くにウェットシートを置いておくと、机や床が汚れてしまったときもサッと掃除ができて便利です。「アラウ.ベビー ウイルス感染対策ウェットシート」なら、食品成分100%なので赤ちゃんの身の回りの物にも安心して使えます。


エプロン

赤ちゃんは食べこぼしをしたり、手づかみ食べした手で体に触れたりして、服を汚してしまうことも多いです。エプロンを着用すれば、服の汚れを最小限に止めることができます。落ちた食べ物をキャッチしてくれるポケットつきのエプロンは、床の汚れなどを最小限に抑えてくれるため重宝するでしょう。

エプロンをしていても服が汚れてしまった場合は、衣類のピンポイントな汚れに強い「アラウ.ベビー洗たく用部分洗いせっけん」を使うとよいでしょう。汚れた部分に直接塗って軽くもみ洗いしてから洗たくすれば、落ちにくい汚れもすっきり落とせます。


手づかみ食べは赤ちゃんやママ・パパのタイミングで無理なく進めよう


今まで口に食べ物を運ばれるだけだった赤ちゃんが手づかみ食べを始めると、喜ぶことも多いです。食べ物をつかんできょとんとしたり不思議がったり、おそるおそる口に運んだりする様子は、非常にかわいいものでしょう。

手づかみ食べは赤ちゃんの成長や発達に重要な役割があるほか、「食べる楽しみ」を覚える大切な一歩になります。記事では目安の月齢を示しましたが、個人差がとても大きいため、お子さまの興味や意欲のペースに合わせて無理なく進めることが大切です。

また、楽しい食事にするためには、ママ・パパが無理をしないことも重要になります。赤ちゃんせんべいなどの市販品も活用しながらできる範囲で進め、気持ちに余裕を持って食事を見守れる状態になってから始めましょう。ぜひ親子で楽しみながら離乳を進めてくださいね。


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